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代表:寺村 淳(東京大学法学部卒、日本製鉄勤務17年)
不動産の売買契約においては、まず、その物件の特定をしっかりする必要があります。
その理由は、物件があいまいでは契約の成立すら危ぶまれるという純粋契約学的な見地のほか、不動産の売買取引は、最終的に法務局に登記することで決着するものですので、登記申請に耐えうる契約書となっている必要があります。
また、目的物である土地、建物は、非常に高額なものでありますから、登記と支払いと所有権の移転とを一致させる必要もあります。
もし登記よりも支払いが先の場合、売主が逃げてしまって第三者に売ってしまい、登記をしてしまえば、最初の買主に救われる方法は、損害賠償のみとなりますが、この場合通常売主は行方知らずになっているでしょうから、結局、高い売買代金が1円も戻ってこない、というような悲惨な結果となります。
よって、物件の特定に慎重になることが、まず第一です。
@ 目的物の特定(番地、地目、図面)
・ 登記のための原因証書とする必要がある→契約書面上で登記に必要な物件の特定のための項目を入れておく。
・ 「公図」:登記所に備えられている土地図面→正しいとは限らない。実測必要
A 手付の有無、及び手付の性質(解約手付、証約手付、違約手付の区別)+手付解除が認められる期間
・ 手付に関する民法の原則:解約手付と推定される(557条)=手付放棄・倍返し解除
B ローン不成立の場合、無条件解除権の有無
・ 銀行からのローンで物件購入代金とする場合
→銀行ローンを借りられなかった場合に、ペナルティなしに契約を解除できるとすることが多い(不動産業者の標準契約)
C 移転登記の時期、及び方法
・ 移転時期と代金支払時期の関係
・ 銀行会議室等に売主、買主、司法書士、銀行員が一同に会した引き渡しと支払い
D 抵当権などの権利が付着している場合の抹消義務
・ 抵当権等担保物件を除去してから買主に移転させる義務があるか否か。
・ 買主が抵当権に係る債務分を引いた代金で物件を購入する場合もある。
E 租税公課の負担方法(固定資産税)
・ 租税は、1月1日現在の所有者が、国に納めることになっている。
・ 年度途中で所有者が交代しても、税金は還付されない。