取引基本契約書のポイント−2COMPANY
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3.2 取引基本契約の構成と契約条項のポイント−U
- 梱包、出荷条項
出荷にあたり適切に梱包すべきこと、出荷に関する費用負担、輸送料、保険料などについて規定します。
国内取引においては、通常、輸送料をどちらが負担するか、という点のみが規定され、通常は売主が負担するとされます。
(なお、国際取引では貿易条件として重要で、通常国際商業会議所が定めている「インコタームズ」(Incoterms)という貿易条件に関する規則に基づき、FOB(本船渡し)、CIF(運賃保険料込)等の条件を用いて簡便にかつ明確に規定することになります。
- 納入条項
期日に指定場所へ納入すべきことを規定します。
ここでのポイントは、納入遅延が発生した場合またはその恐れがある場合に、どのような対策を講じるか、という点です。
- 検査/受け入れ条項
納品された目的物の検査期間、検査基準、検査方法等について定めます。
そして検査合格の場合をもって、買主における目的物の受け入れ完了ということになります。
この「受け入れ」を「検収」と呼ぶことが日本では多いのですが、「検収」という概念は法律用語ではありませんので、検収と書いたからといって法的効果が直ちに生ずるわけではない点、注意すべきです。
検査方法をどのようにするか、何を基準にするか、という点がまず重要です。
また、検査期間が経過しても買主が検査しなかった場合に見なし検収となるのかどうかもポイントとなります。
また、目的物の性質に応じ、「期限前納入」や「過納入」の場合の扱い、「誤差」の扱いについても規定すべき場合があります。
体積の非常に大きいもの等の場合は、期限前納入や過納入があると買主側の倉庫事情によっては買主側に費用や損害が発生する可能性があります。その点をリスクとして織り込むことになります。
- 特別採用条項
特別採用とは、上記検査の結果、正規品としては検査不合格であったけれど、2級品としてならば売り物になるので、当該不合格品を売主に返品することなく、買主側の裁量で2級品として購入することを意味しています。
その際、買い取り価格につき、鑑定・評価費用、修理費用等の負担者および負担額も含めて、どのような手順や基準で決定するのかがポイントとなります。
なお、売主側から買主側に特別採用の申し出ができる旨を定める場合もあります。売主側としては返品を受けて作り直すよりもメリットがある場合があるからです。
ただ、買主側が当該申し出を承諾するかどうかは買主の任意の判断に委ねられることが多く、あまり強い権利とはならないのが通常です。
- 所有権・危険負担移転条項
目的物の所有権がいつ買主に移転するか、また目的物の滅失というリスク(=危険)をどちらがいつまで負担するか、を定める規定です。
移転時期としては、所有権と危険を一緒にする場合もあれば、別々にする場合もあります。
例えば、検査完了し引渡が完了した時点で買主に両方とも移転するとか、あるいは、危険負担は納入時、所有権は代金完済時に移転する、といった選択肢が考えられます。